リースバック 不動産

リースバックvsリバースモーゲージ【仕組みと違いを徹底比較】

この記事を読むと分かる事

  • リースバックとリバースモーゲージの仕組みと違い
  • リースバックとリバースモーゲージのメリット・デメリットの比較
  • どんな人がそれぞれの仕組みを利用するのに向いているの?

 

モトキさん
この記事はリースバックとリバースモーゲージの仕組みと違いを知りたいという方向けです。

2018年の統計によると、日本人の平均寿命は、女性が87.32歳、男性が81.25歳と共に過去最高となりました。
世界でも日本人は長生きで、平均寿命が男性が3位、女性が2位となっています。

いよいよ人生100年時代となり、大変喜ばしい事ではあるのですが、長い人生を充実させる為には、やはり先立つものも必要です。

最近でも、「老後には2,000万円の資金が必要」という話題が注目されていました。それで、誰もが老後の資金を確保する方法に少なからず関心があるのではないかと思います。

そんな中、自宅を有効に活用して老後の資金を得る2つの方法が注目されています。「リースバック」と「リバースモーゲージ」です。

それぞれ全く別の仕組みなのですが、共通しているのは「自宅に住みながら現金を得る事ができる」という事です。

この記事では、リースバックとリバースモーゲージのそれぞれの仕組みとメリットデメリットを比較しながら解説していきたいと思います。

ココがポイント

「リースバック」も「リバースモーゲージ」も自宅を利用して現金を得られる方法です。

 

リースバックとリバースモーゲージの違い

リースバックは、「自宅を売却して現金を受け取り、その後賃貸で借りて住み続ける方法」です。

リバースモーゲージは、「自宅を担保に銀行からお金を借り、本人が亡くなった後、または契約が終了した時に自宅を売却して借りたお金を返済する方法」です。

リースバックとリバースモーゲージは、どちらも自宅に住み続けながらお金を受け取る事が出来る仕組みですが、1番の大きな違いは、受け取るお金の種類です。

リースバックの場合は、家を売却した代金を受け取るのに対し、リバースモーゲージの場合は、銀行からの借入金です。

 

リースバックとリバースモーゲージ概要の比較

リースバック リバースモーゲージ
手に入るお金 売却代金 借入金
家の名義 売却先に移転 そのまま
月々の費用 賃料 利息
年齢制限 制限なし 制限あり(55歳以上、金融機関による)
対象者 個人・法人 個人(世帯の制限あり。子の同居は不可)
収入条件 特になし あり(金融機関による)
資金用途 自由 制限あり
対象物件 制限なし 戸建のみという金融機関が多い
保証人 不要 必要となることが多い
相続人の同意 不要 必要(金融機関による)
固定資産税等 掛からない 掛かる

※条件や制限の内容は、リースバック業者、金融機関により若干異なります。

ココがポイント

手に入るお金は・・・

リースバックは「家を売却した代金」

リバースモーゲージは「銀行から借りたお金」

 

モトキさん
リースバックとリバースモーゲージは一見すると似ているようですが、お金を得る仕組みが全く異なります。それぞれの仕組みを、もう少し詳しく解説していきます。

 

リースバックの仕組み

リースバックは、「今住んでいる家を売り、そのまま賃貸して住み続ける」という仕組みです。売却代金をまとめて受け取り、その後は月々賃料が発生します。契約にもよりますが、将来もう一度自宅を買い戻す事も出来ます。

 

リースバックについては、こちらの記事でさらに詳しく解説していますので、もしよろしければご覧ください。

 

リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージは、「今住んでいる家を担保に金融機関からお金を借りる」という仕組みです。

 

リバースモーゲージについては、こちらの記事でさらに詳しく解説していますので、もしよろしければご覧ください。

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リーバースモーゲージの種類

リバースモーゲージには、いくつか種類があります。

 

融資の方法

  1. 月々受け取る年金方式
  2. 目的に沿って一括で受け取る方式
  3. カードローンの様に利用限度額内で自由に引き出せる方式

 

返済の方法

  1. 毎月返済なし(死亡時に利息も含めて元金一括で返済)
  2. 毎月返済あり(毎月利息のみ返済し死亡時に元金一括返済)

いずれの場合も元金は、担保にしている不動産を売却して一括で返済する仕組みです。

 

提供する母体

  1. 銀行などの金融機関が提供するもの
  2. 社会福祉協議会が福祉サービスとして提供する公的なもの

 

金融機関が提供するサービスは、比較的自由度があり、社会福祉協議会が提供するものは、あくまで福祉サービスのため、資金の使い道がより限定されています。

金融機関のリバースモーゲージと社会福祉協議会の不動産担保型生活資金の概要を比較します。金融機関はリバースモーゲージで実績のある東京スター銀行の内容を記載しましたが、金融機関ごとに貸付の条件や内容は異なります。

 

社会福祉協議会 東京スター銀行
サービス名称 不動産担保型生活資金 リバースモーゲージ「充実人生」
貸付対象 年齢:本人・世帯員65歳以上
世帯構成:1.単身 2.夫婦のみ 3.借り入れ申込人もしくは配偶者の親が同居
年齢:55歳以上、配偶者50歳以上
世帯構成:単身、夫婦のみ
収入制限 世帯員の収入が区市町村民税非課税または均等割課税程度の低所得世帯 年収120万円以上(年金収入など長期安定的に見込める年収に基づいて審査)
対象不動産 土地の評価額が概ね1,500万円以上の一戸建て住宅(集合住宅は不可) 一戸建てまたはマンション
貸付内容 貸付月額30万円以内 原則として3ヶ月ごとに交付 目的ごとに一括借入
利用限度額内で自由に借入
貸付限度額 担保となる土地の評価額の70% 500万円以上1億円以内
貸付期間 貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間 終身(契約者死亡後、6ヶ月後に一括返済)
貸付利率 年3%または長期プライムレートのいずれか低い方 店頭金利(変動)+0.6%
連帯保証人 必要 不要
推定相続人の同意 必要 不要
出典 東京都福祉協議会の案内パンフレットより 東京スター銀行公式ホームページより

 

「不動産担保型生活資金」のお問い合わせは、全国の社会福祉協議会へどうぞ。

全国社会福祉協議会公式HP

「リバースモーゲージ充実人生」について、詳しくは東京スター銀行のHPをご覧ください。

東京スター銀行公式HP

 

リースバックとリバースモーゲージのメリット・デメリット比較

 

モトキさん
リースバックとリバースモーゲージのメリットとデメリットを比較します。

 

メリット比較

リースバック

  1. 利用の条件がそれほど多くない
  2. 自宅に住み続けながら売却代金を得られる
  3. 売却した事が周囲にわからない
  4. 資金の使い道は自由
  5. 固定資産税等の維持費が掛からなくなる
  6. 将来家を買い戻す事もできる

リバースモーゲージ

  1. 自宅に住みながら資金を得る事ができる
  2. いろいろな資金の受け取り方がある
  3. 毎月の返済は利息のみで良い

 

デメリット比較

リースバック

  1. 家の名義が変わる
  2. 家賃が近隣の相場に比べて高くなりがち
  3. 売却代金が不動産相場に比べて安くなりがち
  4. 契約によっては退去しなければならなくなる事もある

リバースモーゲージ

  1. 借り入れには銀行の審査がある
  2. 利用できる物件やエリアに制限が多い
  3. 資金の使い道が制限される
  4. 子供などの家族が同居していると利用できない
  5. 長生きすると融資額を使い切ってしまう可能性がある
  6. 不動産価格が下落すると融資額が減ってしまう可能性がある
  7. 金利が上昇すると月々の返済額も増えてしまう

 

モトキさん
もう少し詳しくそれぞれのメリットとデメリットを解説します。

 

リースバックのメリット

1.利用の条件がそれほど多くない

リースバックの利用に年齢や収入の制限などはありません。また物件の種類も基本的には問いません。

2.自宅に住み続けながら売却代金を得られる

売却代金を現金で得る事ができます。一般の不動産取引に比べて現金化も早く資金をスピーディーに得られます。

3.売却した事が周囲にわからない

売却した後も住み続けるため、周囲には売却した事がわかりません。

4.資金の使い道は自由

得られる資金は銀行からの借入ではないため、資金の使途に制限はなく自由に使う事ができます。

5.固定資産税等の維持費が掛からなくなる

不動産の所有者ではなくなるため、固定資産税などの維持費が掛からなくなります。

6.将来家を買い戻す事もできる

望めば将来もう一度家を買い戻す事も出来ます。

 

リースバックのデメリット

1.家の名義が変わる

家を売却する事になるため、自宅の名義は売却先の業者に変わります。

2.家賃が近隣の相場に比べて高くなりがち

リースバックの賃料設定はどうしても買取金額の影響を受けます。近隣の賃貸相場と比べて割高になる事があります。

3.売却代金が不動産相場に比べて安くながち

通常の不動産売却と比べて売却代金は安くなります。一般の不動産相場の60%から80%くらいが買取り価格の相場です。

4.契約によっては退去しなければならなくなる事もある

賃貸契約の内容によっては、2から3年で退去する必要が出てくる事があります。契約内容を事前に良く確認する必要があります。

 

リバースモーゲージのメリット

1.自宅に住み続けながら資金を手にできる

自宅を担保に資金を借入れるので、家の名義を変えずに、住み続けながら資金を得る事ができます。借入金は本人が亡くなった後に売却して返済します。

2.いろいろな資金の受け取り方がある

まとめて資金を受け取る方法や年金の様に月々受け取ったり、必要な時にカードローン形式で引出したり様々な形態の融資の仕方があります。

3.毎月の返済は利息のみで良い

月々の返済は利息のみか、利息分も元金と一緒に返済する方法もあります。

 

リバースモーゲージのデメリット

1.借り入れには銀行の審査がある

借り入れには審査があるため、条件を満たさなければ利用できない事があります。

2.利用できる物件やエリアに制限が多い

マンションなどは対象外とされるケースが多く、また金融機関が取り扱いできないエリアもあります。

3.資金の使い道が制限される

借入金の使い道には制限があります。公的なリバースモーゲージである「不動産担保型生活資金」では、あくまで生活の資金、金融期間のリバースモーゲージでも目的に沿った使い方が求められます。投資や事業用の資金に使う事はできません。

4.子供などの家族が同居していると利用できない

リバースモーゲージの仕組み上、本人が亡くなったときに家を売却して借入金の返済をする事になるため、引き続き住む可能性がある人が同居している事は認められません。

5.長生きすると融資額を使い切ってしまう可能性がある

想定より長生きすると、融資額を使い切ってしまい、生きている間に不動産を売却して返済しなければならなくなる可能性があります。

6.不動産価格が下落すると融資額が減ってしまう可能性がある

金融機関は定期的に不動産の再評価をします。不動産価格が下落すると不動産の担保評価が下がり、融資額も引き下げられる可能性があります。超過融資分が発生した場合、一括して返済をしなければならなくなる可能性があります。

7.金利が上昇すると月々の返済額も増えてしまう

金利は景気の動向で上下します。金利が上昇すれば当然月々の利息の支払額も上がります。

 

リースバックに向いているのはどんな人?

早くまとまった現金が欲しい人

教育費や治療費などでお金が必要となった、事業のための資金を調達したいなど、多目的に使える資金を調達する事ができます。リバースモーゲージの場合資金の使い道が限定されます。

ローンを整理したい人

住宅ローンの返済が厳しいので整理したい、カードローンの残債や税金の滞納をまとめて返済したいなど、ローンの整理にも使えます。

不動産の維持費の支払いが負担と感じている人

リースバックをすれば、不動産の所有権は売却先に移るので、固定資産税やマンションの管理費・修繕費などの支払いをする義務がなくなります。

相続問題を早めに解決しておきたい人

不動産は相続財産として残しても、文字通りには分割できないので、どの様に分けるかなどで相続人同士でトラブルになるケースがあります。先にリースバックで不動産を売却して現金化しておく事によって、相続問題の種を減らしておく事ができます。

 

リバースモーゲージに向いているのはどんな人?

資金を調達したいが、家の名義は変えたくない人

リバースモーゲージの場合は、本人が亡くなった後に家を売却して借り入れを返済するので、生きている内は家の名義は変わりません。「先祖代々の家で、自分の生きている内は、他人に売りたくない」という様な場合に使えます。

家をリフォームして住み続けたい人

老後の快適な生活の為に、家をリフォームしたいという場合、ある程度まとまった資金が必要です。多くの金融機関でリフォームや家の建て替え費用は、リバースモーゲージの資金の使用方法として認められています。

年金の様に毎月一定額が欲しい人

年金型と呼ばれるような融資タイプを選択すれば、まとまった金額ではなく毎月一定額というような形でお金を受け取る事ができます。

 

まとめ

 

リースバックとリバースモーゲージのそれぞれの仕組みと違いをご理解頂けたでしょうか?

どちらの仕組みにも、メリットとデメリットがあります。

利用したい物件の状況や、資金の用途に合わせて、どちらの仕組みを使うべきかを判断して頂ければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

  • リースバックもリバースモーゲージも自宅を利用して住みながら資金を得る方法
  • リースバックは売却代金、リバースモーゲージは借入金を得る事ができる

 

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