こんな疑問に答えます。
リースバックは、「家を売って売却代金を得、しかもそのまま引っ越さずに住み続ける事ができる」メリットの多い仕組みです。
最近では、シニア世代が老後の資金を確保するために、また相続対策などの終活で利用されるようになってきました。
この記事では、リースバックを利用するとどんなメリットがあるのかについて、出来るだけ分かりやすく解説していきます。
この記事を読むと分かる事
- リースバックを利用する5つのメリットが分かります
- リースバックを活用するとメリットがあるのはどんな人かが分かります
- リースバックを選ぶ際に注意するべきポイントが分かります
不動産のリースバックとは?
まず最初に、不動産リースバックの仕組みについて簡単に解説します。
不動産のリースバックとは、不動産売買と賃貸契約をセットで行う取引の事です。
リースバックは大きく分けて次の二つのステップで行います。
- マイホームを売却し、売却代金を得ます。
- 売却先の業者(または個人)と賃貸契約を結び、売却したマイホームを借ります。
ココがポイント
マイホームの売買契約と賃貸契約は同時に行います。
リースバックを利用する5つのメリット
リースバックを利用する主なメリットは次の5つです。
- 自宅をすぐに現金化できる
- 売却後も住み慣れた家に住める
- 売却を近所に知られない
- 不動産の維持費を削減できる
- 将来家を買い戻すこともできる
1.自宅をすぐに現金化できる
リースバックを活用するメリットの一つは、マイホームをすぐに現金に変える事ができるという事です。
リースバックの場合の買主は、基本的に業者になるので、何度も内覧をしたり、他の物件と比較検討したり、住宅ローンの審査などをする必要がありません。査定の見積もりをすれば、すぐに売買価格を決める事ができ、売主が価格に納得すれば即金で買取をする事ができます。
早い業者であれば、最短5日で家を現金化する事ができます。
さらに詳しく
現金化のスピードだけであれば、不動産業者が家を買取る場合もほぼ同じです。リースバックではない不動産業者の買取の場合には、売主が家から引っ越しをし、空室の状態で引き渡しをして初めて売却代金が手に入ります。
通常の不動産売却をする場合、広告を打って買い手を探し、実際に内見をしてもらい価格や条件の交渉をして話がまとまればようやく契約となります。
1人目の購入希望者で話がまとまることはほとんどないので、何人もの購入希望者と同じプロセスをする必要があります。
売買契約まとまるまで、通常3ヶ月かそれ以上の期間が必要になります。
売買契約が決まったとしても、すぐに現金が手に入るわけではありません。
買手が住宅ローンを利用するなら手続きに時間がかかるため、契約から売買代金の支払いまでさらに最短でも1ヶ月ほどかかります。
ココがポイント
通常の不動産売却の場合、売却代金が手元に入るまでに、3ヶ月から6ヶ月、長い場合には1年近くかかるケースもあります。
2.売却後も住み慣れた家に住める
リースバックのメリットの2つ目は、売却後も住み慣れた家に住み続ける事ができるという事です。
これは、通常の不動産売却ではなくリースバックを選ぶ一番のメリットです。
通常の不動産売却であれば、家の引き渡しまでに引っ越しをする必要があります。そのためには、次に住む賃貸物件を探し、賃貸契約をし、今の家の片付けをし、業者を手配して引越しをする必要があります。
これには、かなりの手間と費用がかかります。
もちろん、家を引っ越したくない、引っ越せない理由は手間がかかるからだけではありません。
引越しをしたくないという他にも理由はたくさんあります。
- 住み慣れた環境を変えたくない
- 子供の学区を変えたくない
- 仕事上引っ越しをすると不都合がある
- 住み慣れた環境を変えたくない
- ペットを飼える賃貸物件が見つからない
3.売却を近所に知られない
リースバックでマイホームを売却する場合、通常の不動産売却とは違って広告をしたり、内覧会などをする必要がありません。
それで、近所の人に家を売却したという事を知られずに済みます。売却後も引っ越しをする事なくそのまま住み続けるので、周囲の人から見れば何も変わりがありません。
ココがポイント
近所の人に家の売却を知られたくないという場合にはリースバックの利用にはメリットがあります。
4.不動産の維持費を削減できる
不動産には毎年固定資産税がかかります。マンションであれば、さらに管理費や修繕積立金の支払いも必要です。
リースバックをすると、持ち家が賃貸に変わるので、これらの維持費を自分で負担する必要がなくなります。これらの不動産の維持費は、その不動産の所有者が負担するものだからです。
ココがおすすめ
不動産を所有者にかかる維持費を負担しなくてもよくなるというのもリースバックをするメリットの一つです。
5.将来家を買い戻すこともできる
通常の不動産売却をする場合、その家にはだれか別の人が住むことになります。一度手放した家は、ほとんどの場合戻ってくる事はありません。
一方、リースバックの場合は、売却した家に自分自身が住む事になります。所有権は買主に移りますが、誰か他の人が家に住むようになるわけではありません。
将来、資金ができるなど事情が変わった時に、もう一度購入して自分の持ち家にする事も可能です。
さらに詳しく
リースバックで買い戻しをするには、あらかじめ売買契約をする際に「将来買い戻しができるという特約」をつけておく必要があります。
買い戻しの期間や金額などは、リースバック業者によって異なります。
リースバックには、当然デメリットもあります。リースバックのデメリットについてはこちらの記事で解説しています。
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リースバックを活用するメリットがある人は?
では、どんな人がリースバックを活用するとメリットがあるのでしょうか?
リースバックを活用するとメリットが大きいのは次のような人です。
- 老後の資金調達をしたい人
- ローンの整理をしたい人
- 就活をしたい人
老後の資金調達をしたい人
日本は世界でも有数の健康寿命が長い国です。老後の人生を充実させ安心して暮らすには、ある程度の蓄えが必要です。でも、年金や貯金だけでは、少し不安を感じるという方も多くおられます。
リースバック活用すれば、マイホームを使ってまとまった資金を作る事ができます。リースバックで得た資金は家の売却代金なので、返済する必要はありませんし、もちろんお金の使途にも縛りはありません。
ココがポイント
自宅を相続する人がいない場合など、自分が生きているうちにお金に変えてしまい、それを使って残りの人生を楽しみたいという方のリースバック利用が増えています。
ローンの整理をしたい人
住宅ローンや事業用ローン、キャッシングなどの返済が遅れたり滞ってしまうと自宅を差し押さえられてしまったり、競売にかけられて引っ越せざるを得なくなる場合があります。
リースバックを活用すれば、家を売却することによって、売却代金でローンを完済する事ができ、しかもそのまま住み続ける事が可能です。
ココに注意
債務整理をするときにリースバックを活用すれば、住む家を失わずに住むというメリットがあります。その為には、借金が大きくなりすぎる前の早めの行動が大切です。
終活をしたい人
最近では、どのような人生の終わり方をするかを考える中で、自分が持っている財産を生きている間にきちんと整理しておき、遺産相続でトラブルが起きないようにする人が増えています。
リースバックは、このような終活にも活用する事ができます。
例えば、子供たちが皆それぞれ自分の家を持っている場合、親が亡くなって相続が発生した後、誰も使わない家だけが残ってしまいます。
相続をした後、相続人たちが協力してその家を売却する事もできますが、権利関係が複雑だったり、相続人間で話がまとまらないなどの問題があると、売却がなかなか進まなくなってしまいます。そうなると、相続がいわゆる「争族」になってしまうケースが実際にあります。
ココがポイント
自分が生きているうちに自宅を処分しておき、かつ、自分が生きている間はそのまま住み慣れた家で過ごす事ができるというのが、リースバックを終活で活用するメリットです。
リースバックを利用する時の注意点
リースバックにはたくさんのメリットがありますが、利用する時には注意しておくべきポイントもあります。
ここからは、リースバックを選ぶ際に必ず確認するべきポイントを解説します。
- 賃貸契約の内容
- 家賃と買取価格のバランス
- 買い戻しができるかどうか
賃貸契約の内容
賃貸契約にはいくつかの種類があります。リースバックを扱う業者によって、契約の種類、期間、更新ができるかどうかなどが異なります。
ココに注意
必ず複数のリースバック業者の見積もりを比較して、一番希望にあった契約を選ぶようにしましょう。
家賃と買取価格のバランス
リースバックを利用する場合、どうしても売却価格ばかりに目が行きがちですが、売却価格は高ければ良いというわけでもありません。なぜなら、リースバックの家賃は、売却価格に対する利回りで決まる事が多いからです。
高く売却できたとしても、その分家賃が高ければ、長期間リースバックで住み続けた場合、トータルの出費は大きくなってしまう可能性があります。
ココがポイント
リースバックを選ぶ際は、単純に売却価格だけで比べるのではなく、1年間の家賃総額が、売却価格の何%になっているかを確認するようにしましょう。そして出来るだけこの割合が低いリースバックを選ぶようにしましょう。
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買い戻しができるかどうか
リースバックのメリットの一つは将来状況が変わった時に買い戻しができるという事ですが、全てのリースバック契約に買い戻しの条件が自動的に入るわけではありません。
業者によっては、買い戻しの条件をつけられない場合もあります。買い戻しの金額も、あらかじめ決めておける業者や、将来買い戻すときに決める業者もあります。
買い戻しができるのかどうか、またその内容については必ず確認しておきましょう。
ココがポイント
リースバックをするときには、将来の買い戻しについてあまり考えないかもしれませんが、事情が変わる事もあるので、選択肢として残しておくことをおすすめします。
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まとめ
この記事では、リースバックには、たくさんのメリットがある事を解説させて頂きました。
最近ではたくさんの業者がリースバックを取り扱うようになり、同じリースバックでも様々なサービスが出てきました。
リースバックを選ぶ際には、複数の業者に見積もりを取り、きちんと契約内容を比べるようにしましょう。