こんな疑問に答えます。
世の中には、本当にたくさんの不動産屋があります。国土交通省のデータによると、なんと全国で12万4,451社(平成31年3月末時点)あると言う事です。コンビニの数が全国で約5万5千店舗という事ですから、どれだけ不動産屋が多いのかが分かります。
不動産屋と言っても、大小の規模や種類、そして評判も様々あります。それで、「一体何を基準に選んだら上手くいくのかな?」と困ってしまいますよね。
きっとあなたも、間違いのない不動産屋を選びたいと思っておられる事でしょう。
ココがポイント
この記事では、不動産業界でたくさんの業者や営業マン、そしてお客様をみてきた立場から、どうすれば失敗なく不動産屋を選べるのか、不動産屋の選び方を解説していきます。
この記事を読むと分かる事
- 不動産屋にあなたが求めるべき事とは何か
- あなたが選ぶべき良い不動産屋とは?
- 不動産屋を選ぶ時にしてはいけない5つのこと
- 不動産屋を選ぶ時にするべき5つのこと
不動産屋を選ぶという事
良い不動産屋を選ぶ為には、まずは「不動産屋に何を求めるべきなのか」をはっきりと決めておく必要があります。
不動産屋に求めるべきものが間違っていると、本当の意味で良い不動産屋を選ぶ事ができません。
例えば、世の中の多くの営業担当者は、あなたに気に入られる事に注意を集中しています。その為には、あなたに気に入られ、あなたが気持ち良く感じる事を言います。それが「事実とは少し違っていても」です。
もし、あなたが不動産屋に求める事が「自分の気分を良くしてほしい」という事であれば、それでも良いと思います。でも、当然そんな事を不動産屋に求めていないですよね。
あなたは不動産屋に何を望むべきか
「不動産を売る為に不動産屋を選ぶ」場合、何を不動産屋に望みますか?
「自分の不動産を出来るだけ高くスムーズに売ってくれる」
この事に尽きるのではないでしょうか。これが不動産屋を選ぶ目的とも言えます。
では、その目的を達成する為にあなたが不動産屋に求めるべき事はなんでしょうか?
「あなたの利益をプロの知識と手法で最大化してくれる事」
これができる不動産屋を選ぶという事を目標にしましょう。
あなたが目的達成のために不動産屋を使う
不動産屋の主な稼ぎは仲介手数料です。売却を依頼された不動産が売れなければ仲介手数料が入らず稼ぎはゼロです。ですから、不動産屋も依頼された物件をなんとしてでも売りたいと考えています。
この点であなたと不動産屋の利害は一致していると言えます。お互い「不動産を売りたい」のです。
でも、残念ながら多くの不動産屋は、あなたよりも自社の都合や利益を優先させます。そのような不動産屋は、物件を売りはしますが、「あなたの利益を最大化」してくれるとは言えません。あなたの不動産を使って自分たちが一番利益を得ようとしているのです。
でもそれだと、あなたの不動産を「出来るだけ高くスムーズに売る」事ができなくなる可能性が大です。
不動産を出来るだけ良い条件で売却する為には、あなたの方が、「あなたの利益の為に動いてくれる不動産屋」を使うという考え方を持つ事が大切です。
ココがポイント
不動産屋に使われるのでなく、あなたが不動産屋を使って目的を達成するという事を心がけましょう。
不動産屋はあなたのエージェント
不動産屋は、いわば良い契約をまとめるためのエージェントです。
「エージェーント」というと、どんな人を思い浮かべますか?
もしかしたら、野球やサッカーなどの選手と球団が契約をする時に交渉を担当する人を思い浮かべるかも知れませんね。
優秀なエージェントは、選手と球団の間に入って契約交渉をします。そして驚くほど高額な年棒を選手のために獲得します。
このように、エージェントは選手の利益の為に、様々な駆け引きや交渉を行って、出来るだけ良い契約条件を引き出すのです。
もし良い契約が結べれば、選手だけでなくエージェントも莫大な利益を得る事ができます。そしてさらに、「腕利きのエージェント」だという良い評判にもつながり他の選手からも依頼が殺到する事でしょう。
不動産屋はいわば、このエージェントと同じです。あなたの利益のため、つまり出来るだけ高くスムーズに不動産を売却するために、不動産屋に動いてもらう必要があります。
「あなたの利益を最大化してくれる」不動産屋とは?
では、どんなところを見れば、その不動産屋が「本当に使える」良い業者だと分かるのでしょうか?
ここから、良い不動産屋を見分ける3つのポイントを紹介します。たった3つだけですが、逆にこれらのどれが欠けても良い不動産屋とは言えません。
- 本当の顧客重視
- 強力な販売力
- 誠実な営業担当者
本当の顧客重視
どの不動産屋も基本的には「お客様第一」というようなモットーを掲げています。当たり前ですが、「自社第一」というモットーをわざわざ掲げませんよね。
でも、本当の意味で顧客を重視できる不動産屋は意外と少ないのです。これは、大手でも中小でも関係なく言える事です。
例えば、ある大手の不動産仲介会社は、売り上げのノルマが厳しい事で知られています。そのような会社の営業担当者は、常に上司からのプレッシャーを受けています。
日々パワハラまがいの圧力を受けていると、営業担当者の頭の中は売上げを上げるという事が第一になってしまいます。売り上げのためなら顧客の都合や希望を後回しにしがちになるのです。そんな会社では、「今月中に契約しろ!」という上司の命令のもと、相場よりも安い金額で契約をまとめたりします。でも、もう数週間待てばもっと高く売れる可能性もあったのです。
もちろん、1日でも早く売らなければならないという方もいる事でしょう。でも、ほとんどの人はそこまで切羽詰まっているわけではありません。
顧客は、このような事を知るよしもありません。営業担当者が笑顔で、そして、上手にそれらしい理由をつけて説明をすれば、「そんなものかな?」とか「今売らないと売れないかも」と考えてしまうのです。
不動産業界では日常的にこのような事が起こっているのです。
「知らぬが仏」という言葉もありますが、多くの顧客は自分が損したという事を知らずに取引を終えてしまいます。
本当に顧客を重視する不動産屋であれば、自分たちの都合で物事を進めようとはしません。
あくまで「顧客自身が最善の判断をするのをサポートする事」が自分たちの仕事だという事を理解しているからです。
ココがポイント
本当の顧客重視とは、プロとして、顧客自身が判断するための選択肢と、選択するための材料を提供する事。
強力な販売力
世の中には販売力のない(または力を入れていない)不動産屋もたくさんあります。それでも営業を続ける事ができます。
その理由の一つは、不動産業界の仕組みにあります。それは売り物件の情報を「レインズ」と呼ばれるインターネット上のシステムで共有するという仕組みです。
例えば、A社が不動産の売却依頼をお客さんから受けたとします。その情報はレインズに登録して共有されます。それによってA社以外の不動産屋もその物件を顧客に紹介する事ができるようになります。
もしB社の顧客が購入を希望すると、B社はA社に対して購入の申込書を提出し交渉をします。この場合、A社が売主側、B社は買主側に立って交渉をし契約を成立させるです。
これが「共同仲介」と呼ばれる取引です。不動産業界では「両手仲介」と呼んだりします。この不動産の流通システムによって、より健全で公平な取引をする事ができるようになります。
一方で、このシステムを使えば、販売力のない不動産屋でも営業をする事ができるのです。
自社で広告活動をせずに、レインズに情報を載せるだけで、他社が買い客を連れてきてくれるのを待つという不動産屋も存在します。
実際、「売り客」を集める事に力を入れていて、「買い客」である購入希望者を集める事にはそれほどで力を入れず、費用もかけないという営業スタイルの不動産屋は多いです。
そのような販売力のない(または販売活動をしない)不動産屋は、買主の動きを機敏にキャッチする事ができません。そのため、適切な価格の設定や変更をうまくする事ができません。そして、どうしても交渉のペースを買主側に握られてしまう事になります。
それで「不動産を出来るだけ高くスムーズに売る」ためには、販売力のある不動産屋を選ぶ事がとても重要です。
販売力のある不動産屋は、自社で積極的に広告活動をし、購入客を集める努力をしている業者です。
さらに詳しく
その様な業者は広告費をかけて購入客を集めているので、積極的に営業活動をし、きちんとした顧客対応をしている事が多いです。
誠実な営業担当者
不動産の売買において、営業担当者の果たす役割は非常に大きいです。なぜなら、多くの不動産屋の営業担当者は、仕事のほとんどの部分を1人で完結しなければならないからです。
価格や条件の交渉などの重要な部分も、営業担当者が1人で担当する場合はほとんどです。それで、担当者の力量によって契約価格も変わってしまうのです。
特に住宅の売買の場合は、買主側も一般の人です。「話し方と交渉次第で、数十万から百万単位で売買価格が変わる」という事など良くあります。
それで、出来るだけ高く売るためには、ギリギリのところまであなたの側に立って交渉をして話をまとめてくれる営業担当者が必要です。
そこで営業担当者に特に求められるのは「誠実さ」です。自分の利益ではなく、顧客の利益を考えられるのは、まさに「誠実さ」です。
例えば、2,500万円で家を売る場合と2,600万円で売る場合で考えましょう。
家を売る人にとって、100万円の差は大きいですよね。車が一台買える金額です。
では、仲介手数料はそれぞれいくらでしょうか?
売買価格2,500万円の仲介手数料は、2,500万円×3%+6万円=81万円です。
では、売買価格2,600万円の仲介手数料はいくらでしょうか?
2,600万円×3%+6万円=84万円です。
営業担当者の売り上げの差は、3万円です。実際に給料に反映される差額はもっと少ないでしょう。もしかしたら数千円程度でしょうか。
つまり、顧客にとっては100万円の差でも、営業担当者にとっては数千円の差なのです。
この、「顧客にとっての100万円の差」を追求できるか?という事です。
誠実に、顧客そして仕事に向き合う人でなければできないでしょう。
ココがポイント
担当者次第で売却価格が数十万から百万単位で変わってしまう事があります。誠実な担当者を選ぶ事は大切です。
これをすると良い不動産屋を選べない!避けるべき5つの事
「絶対に避けた方が良い」不動産屋の選び方を紹介します。
- 査定価格で選ぶ
- 大手だから選ぶ
- 最初に話した不動産屋だから選ぶ
- 断りづらいから選ぶ
- 知り合いだから選ぶ
1.査定価格で選ぶ
まずは、査定価格で選ぶという間違いです。
高い査定価格を提示されると「そんなに高く売れるなら・・」と気持ちが揺らいでしまいますが、査定価格で不動産屋を選ぶのは間違いです。
なぜなら、不動産屋が出す「査定価格」は、実際に「売れる価格」とは限らないからです。また、「査定価格」は、あなたの不動産の「価値」でもありません。
「査定価格」は、あくまで不動産屋が「概ね3ヶ月以内に売れるであろう」と考える価格です。
査定価格の根拠となるのは、基本的に過去の取引データーです。過去に行われた不動産取引を調べて、「この価格で売れた事があるから、あなたの不動産もこれくらいの価格なら売れるのでは?」という未来予想をしているのです。
とは言え、不動産は一つといえ同じものはありません。全く同じ条件の不動産はなく、売りに出すタイミングや時期によっても条件が変わってきます。
それで、不動産屋はいろいろな方法を使って査定価格に調整を加えます。つまり、査定価格は意図的に高くしたり低くしたりする事ができるという事です。しかも、それにもっともらしい理由をつけてそうするのです。
売却の依頼を得るためだけに査定価格を高くする不動産屋もいます。そのような不動産屋は、実際には売れる可能性が低い価格で売却の依頼(媒介契約)を受けておいて、その後、徐々に価格を下げさせるという手を使います。
そうなると結局売れるはずだった価格よりも安く売る事になってしまったり、売却に無駄に時間を費やしてしまう可能性があるのです。
ココがポイント
査定価格は、実際に売れる価格とは限りません。査定価格だけで不動産屋を選ぶのは絶対にやめましょう。
2.大手だから選ぶ
大手だからといってその不動産屋があなたの物件を高く売ってくれる訳ではありません。
確かに大手の看板には安心感がありますが、不動産売買の成功においてはさほど重要ではありません。「大手だから」というだけで不動産屋を選ぶのはおすすめできません。
3.最初に話した不動産屋だから選ぶ
「良い不動産屋」を見つける為には、一社だけで決めるのは避けるべきです。必ず複数の不動産屋に査定の依頼をして、提案の内容、担当者や会社の資質を比べましょう。
最初に話した不動産屋を選んでしまうと、仮に印象が良かったとしても比較のしようがありません。
「一括査定サイト」などを利用して、必ず複数の不動産屋に査定依頼をしましょう。
4.断りづらいから選ぶ
断りづらいからと言って売却を頼む不動産屋を選ぶのは間違いです。
でも、「いろいろしてもらって断りづらかったから依頼をした」という方は意外に多くおられます。
確かに、不動産屋は査定書を作成するために、いろいろな仕事を行わなければなりません。証明書の取得に費用がかかる事もあります。それで、「こんなにいろいろしたのだから、うちに売却を依頼してください」というような主張をする不動産屋もいます。
でも、査定書の作成はどの不動産会社も無料で行うのが普通です。
さらに詳しく
査定を依頼された不動産が遠方の場合、調査に時間と費用がかかるので、売却の依頼をもらえるという確信がない限り動きたくないという場合があります。そんな時は、「売却の際には必ず依頼してくださいね」というような約束をして査定をする事があります。
このような例外的な場合を除いて、どの不動産屋も多少の時間と手間がかかる査定を無料で行います。
査定した事を理由に、売却依頼を迫るというのはまともな不動産屋のする事ではありません。
断りづらくても、他の不動産屋と比較したいという事をはっきりと伝えましょう。
5.知り合いだから選ぶ
知り合いの不動産屋だから、あなたの物件を高く売ってくれるとは限りません。
良くあるのは、近くの知り合いの不動産屋に遠方の不動産の売却を依頼するパターンです。
その不動産屋が本当に有能であれば、遠方の不動産でも売却は可能ですが、やはり不動産はその地域を良く知っている不動産屋に依頼するのが一番成功率が高いです。
確かに、自分が頻繁に行けないような場所の場合、その場所の不動産屋に任せるのは少し心配かもしれません。でも、地元の業者の方がその地域の不動産についてよりたくさんの情報を持っています。良い地元の業者を選べば、遠方でもスムーズに売却する事ができます。
ココがポイント
知り合いだからという理由だけで不動産屋を選ぶ前に、一度冷静になって「それが本当に高くスムーズに売るのに一番良いのか」と考えてみましょう。
良い不動産屋を選ぶ為にあなたがすべき5つの事
「良い不動産屋を選ぶと言っても、そんな簡単に見極められないよ」と思われるかもしれませんね。
確かに短期間で全てを知るのは難しいでしょう。でも、ここで紹介する5つの事を行えば、「良い不動産屋」見極める事ができるようになります。
- 不動産屋の種類を知る
- 会社のホームページを確認する
- 複数の不動産屋に査定依頼をする
- 営業担当者の人柄を見る
- 査定書を良く読み込む
1.不動産屋の種類を知る
不動産屋には種類があります。つまり、得意としている分野とそうでもない分野があります。
例えば、全ての病院には医者がいますが、得意分野は、歯科、眼科、内科、整形外科などと分かれています。
虫歯の治療に眼科に行く人はいないでしょう。不動産屋も同じです。
不動産屋も得意分野が分かれています。あなたの不動産を売るのを得意とする不動産屋を選ばなければなりません。
不動産屋の種類は、大きく分けると賃貸と売買です。
賃貸物件をメインに扱う不動産屋は、売買にあまり慣れていない事が多くおすすめできません。不動産の売却は、売買をメインに扱う不動産屋に任せましょう。
さらに詳しく
エリアによっては、マンションの売買をメインにしている不動産屋もあります。そのような業者は、土地の売買についてはあまり得意ではないかもしれません。
また、新築の戸建を主に扱っている不動産屋もあります。そのような業者も、中古マンションの売却はできますが、抱えている購入見込み客は少ないかもしれません。
不動産屋には少なからず得意分野とそうではない分野があります。得意としている分野では、それなりのノウハウや販売ルートを持っていたりします。
それで、自分が売りたい物件と似た物件を良く扱っている不動産屋があれば、必ず候補に入れるようにしましょう。
ココがポイント
まずは、自分が依頼するべき不動産屋の種類を見極めましょう。あなたの物件を売るのが得意そうな業者は有力候補です。
2.会社のホームページを確認する
会社のホームページからは、その会社の雰囲気や文化がある程度分かります。
社長や営業社員の写真、コメントなどをチェックしてみましょう。
ホームページからわかる事
売り上げ重視の不動産屋は、営業社員の入れ替わりが激しい傾向があります。そのような会社のホームページには、営業社員の名前や顔写真が載せられていない事が多いです。
逆に営業社員の顔写真や本人のコメント、お客様の声などをきちんと掲載している不動産屋は、地元で良い評価を得られるように努力している会社と考えられます。そのような会社は顧客重視で営業していると考えられます。
もちろん、わざわざ会社のホームページに、自分たちに都合の悪い情報を載せる会社はいません。ですから、ホームページで見た内容で全てを判断できませんが、それでも、その会社についてある程度の情報を得られる事はできます。
少なくともその不動産屋が何を目指し、重視しているかという事は分かるでしょう。
ココがポイント
会社のホームページは必ずチェックするようにして下さい。
3.複数の不動産屋に査定依頼をする
査定の依頼は、同時に複数の不動産屋に依頼するようにしましょう。
なぜ複数の不動産屋に査定依頼をするべきなのでしょうか?
正確な相場を知るため
1社の査定価格だけでは、その価格が本当に相場なのかを知る事ができません。その不動産屋が意図的に価格を調整している可能性もあります。
複数の不動産屋に査定価格を出してもらえば、より正確な相場を知る事ができます。
査定価格は、多少の幅は出るはずですが、全ての不動産屋が大体同じような価格を提示してくるはずです。
なぜなら、査定の方法は、どの不動産屋も皆同じだからです。
極端に他社と異なる査定価格は、意図的に価格を調整しており、相場からも外れている可能性が高いです。
売買が定期的にされている地域の不動産は、過去の取引事例を比較する方法で算出します。査定の方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでよろしければご覧ください。
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不動産屋を比較するため
担当者の話し方や態度、査定書の内容など、一社だけではその不動産屋が本当に良いのかどうか分かりません。複数の不動産屋の担当者と会うことによって、本当に「出来るだけ高くスムーズに売ってくれる」不動産屋なのかを見極めやすくなります。
ですから、査定依頼をする不動産屋を数社決めたら、全ての不動産屋から査定書をもらい、話を聞くようにして下さい。最初に会った不動産屋にすぐに売却を依頼する事がないようにしましょう。
不動産屋は、他社とあなたが会う前になんとか売却の依頼を取り付けようとします。ですので、最初の段階で「数社に査定依頼をしていて全ての業者の話を聞いてから決めたい」という事をきちんと伝えておきましょう。
ココに注意
それでもなお、無理やり契約を迫るような業者は、顧客の希望を第一にしてくれる不動産屋とは言い難いのではっきり断った方が良いでしょう。
査定依頼には、必ず一括査定サイトを利用しましょう。
一括査定サイトを利用すると、無料で簡単に複数の不動産屋に査定依頼をする事ができます。
一括査定サイトを使うと、あなたが複数社に査定依頼をしている事を不動産屋が分かっているという事もポイントです。その前提があれば、「他社の話を聞いてから決めたい」という説明もしやすくなります。
さらに、不動産屋側は他社も意識するので、無理やり契約を迫ってきたり、現実味のない査定価格を出しづらくなるというメリットもあります。
おすすめの一括査定サイトはこちらです。
4.営業担当者の人柄を見る
査定に際して不動産屋の担当者が現地の確認や内覧に来る事でしょう。営業担当者は、査定する物件を注意深く観察します。
その時、あなたは営業担当者を良く観察して下さい。
言葉使いや身なりはきちんとしているか?
不動産業界には、基本的な事がきちんとできない営業担当者がいます。
礼儀正しく挨拶をし、スムーズにコミュニケーションを取れる人か?
コミュニケーションが上手な人は、聞き上手な人です。こちらの話を良く聞かずにすぐに答えたり、一方的に話す営業担当者は、それをそのまま購入客や他社の営業担当者にもします。そのような対応は、スムーズな売却活動をする上で少なからずマイナスになります。
誠実な人か?
誠実な人ってどんな人?と思われるかもしれませんが、営業の担当者として求められる誠実さは、嘘をつかない事、私利私欲を優先しない事です。査定の段階でそこまで見抜くのは少し難しいかもしれませんが、意識して観察するようにしましょう。
きちんとデメリットも説明してくれる
査定の段階では、どの営業担当者も依頼を受けるために良い事しか言わない場合が多いです。でも、自分にとって都合の悪い事、またあなたの売却についてのテンションを下げる可能性があるような事でも説明してくれる人は誠実と言えます。
例えば、査定の価格で売れない可能性など、その時点で考えられるリスク、デメリットなどです。
こちらの話を良く聞いてくれる
あなたにとって最善の不動産売却をするためには、まずは、あなたの希望条件や状況などをきちんと確認する必要があります。相手の立場に立って行動できる営業担当者は、あなたも気づいていないような潜在的なニーズを引き出して気づかせてくれる事もあります。
自分の利益や都合を優先する営業担当者には、とてもそんな事はできません。徹底的にあなたと向き合い、話を聞いてくれる営業担当者は誠実な人です。
5.査定書を良く読み込む
査定書からは、その不動産屋のレベルを伺い知る事ができるので良く読み込みましょう。
査定書で確認するポイント以下の三つです。
- 査定価格の根拠はあるか?
- 意味不明な価格調整がされていないか?
- 査定価格は大雑把ではないか?
査定価格の根拠はあるか?
査定価格には根拠が必要です。周辺で不動産売買の事例がある場合には、取引の事例を比較して査定価格を出します。
比較対象の事例は適正でしょうか?
何年も前の取引事例は現在の相場とかなり価格が違っている可能性もあるため、取引事例としては相応しくありません。
さらに詳しく
取引事例があまりない地域の査定をする場合は、路線価や公示価格を利用して計算する場合があります。一般的に、路線価は実勢価格(取引される価格)の7割から8割程度になる事が多いです。
意味不明な価格調整がされていないか?
取引事例を比較した上で、「流動性比率」などの数値を掛けて査定価格を調整する場合があります。
これに理由がある場合は良いのですが、理由がない、またはなんとなく感覚的に調整しているような場合は査定価格の正確性に疑問が出て来ます。
さらに詳しく
「流動性比率」とは、その不動産の流動性、簡単に言えば売りやすさの比率です。
例えば、35坪の一般的な住宅地と、500坪の土地の流動性は同じではありません。
一般的に500坪の土地の方が35坪の土地より売りにくくなるので、坪あたりの単価は安くなります。(厳密には売りにくくなるというより買い手の種類が変わるという事ですが)
他にも、一般の住宅地と山林などでも流動性が異なります。山林の方が利用価値が低く、そして買い手も限れるので単価は安くなります。
それで、同じ土地でも「流動性比率」のような数値を掛ける事によって価格を調整する訳です。
これといった確かな理由もなく「流動性比率」のような数値で価格を調整するのはNGです。もしそのような計算がされていたら、きちんとした理由があるのか聞いてみた方が良いでしょう。
査定価格は価格自体よりもその根拠が大事です。
査定価格は大雑把ではないか?
査定価格に幅を持たせた書き方をする査定書が良くあります。「査定価格 2,800万円から3,200万円」のような書き方です。
これでは、その不動産屋が「いくらで売り出すのが良い」と考えているのか分かりませんよね。また、あまりに査定価格に幅を持たせていると、「ちょっと売却に自信がないのかな?」と感じてしまいます。
確かに、不動産は売りに出してみないとわからない事があります。売り出してみてから反響をみて価格の調整が必要な場合もあります。
売り出してみたら、似たような物件が数件売りに出るなんて事もあります。そうすると競争が起こって価格が下がってしまうなんて事もあり得ます。でもどこでどんな物件が売りに出るかを完全に把握することなんてどの不動産屋にもできません。
でも、査定書というのは、不動産屋が「この価格なら売れると思いますよ」という価格の提案をするものです。
あくまで不動産屋の提案な訳ですから、売る側としては「私はこの価格で売りに出す事をお勧めします」という意見が欲しい訳です。
売り出す価格を最終的に決めるのは売主です。ですから、売主が正しい判断をしやすいように根拠を示した明確な価格を提示してくれる業者を選びましょう。
さらに詳しく
査定価格に幅があったとしても、きちんとした根拠と販売戦略を示せるのであれば、大きな問題はありません。
例えば、査定価格を最小、提案、最大価格と分けて、それぞれの価格で売り出すメリット・デメリット、そしてそれぞれの価格で売る場合の戦略をきちんと提案してくれるような不動産屋は、力のある良い不動産屋と言えます。
まとめ
- あなたの利益を最大化してくれる不動産屋を選びましょう
- 不動産屋は査定価格や会社の規模だけで選ばないようにしましょう
- 記事の中の5つのポイントを必ず使って良い不動産屋を見極めましょう
- 複数の不動産屋への査定依頼は一括査定サイトを使いましょう
この記事では、不動産屋の選び方について解説しました。
良い不動産屋は、あなたの利益を最大化するように動いてくれます。つまりあなたの不動産を出来るだけ高くスムーズに売ると言う事です。
あなたがそんな不動産屋を選んで不動産売却を成功させるために、この記事の内容が少しでも役立てば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
モトキ