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土地を売却したら所得税がかかるってほんと?【かかる場合とかからない場合あり】

悩んでいる人

土地を売ると所得税がかかるの?

すごく税金を取られそうで心配です。

 

こんな疑問に答えます。

 

この記事を読むと分かる事

  • 土地を売却すると掛かる所得税が何かが分かります
  • 土地を売却してどんな場合に所得税が掛かるのかが分かります
  • 土地を売却して所得税がかかる場合にどんな手続きが必要かが分かります

 

所得税は、1月1日から12月31日までの一年間に得た所得に対してかかる税金です。

 

仕事をしていて収入がある人なら、所得税を支払っている事でしょう。会社に勤めている人の場合は、給料から源泉徴収(天引き)されて所得税を支払っています。

所得税は累進課税といって、所得が多くなればなるほど税率が上がっていきます。

では、土地を売った時に得る所得についてはどうなるのでしょうか?

土地を売ると、大きな金額を手にする事になるので、所得税が心配ですよね。

 

この記事では、土地を売った時の所得税について解説していきます。

 

モトキさん

この記事を書いている宅建士のモトキは、不動産会社を10年ほど運営していました。その知識と経験に基づいた暮らしと不動産に役立つ情報を発信しています。

 

土地を売却するとかかる所得税とは?

所得税の対象となる所得には、種類が十個ほどあります。

まず、給料で得た所得は「給与所得」ですね。事業をして得た所得は「事業所得」です。

 

土地を売った時の所得は譲渡所得

土地を売った時の所得は、「譲渡所得」という種類の所得になります。

 

ココに注意

少し間違えやすいのですが、土地を売った時の所得は「不動産所得」ではありません。

「不動産所得」は、不動産を活用して得た所得で、アパートや駐車場の家賃収入などがそれにあたります。

 

譲渡所得は分離課税

土地を売った時の所得は、「譲渡所得」に分類され、他の所得と分離して課税されます。

分離課税とは、給与所得などのその他の総合課税の所得と合計せずに、分離して税金を計算する方法です。

 

もし、他の所得と分離せずに課税されてしまうとしたら、土地を売って一時的に得た収入の為に、所得が上がり、累進課税で高い税率が適用される事になってしまいます。

そういう事にならないために、譲渡所得には分離課税方式が適用されるのです。

 

土地を売って得た所得は、他の所得と切り離して計算するので、給与所得にかかる所得税が上がることはありません。

 

土地を売却して所得税がかかるのはどんな時?

土地を売却しても、常に所得税が掛かるわけではありません。

土地を売却すると必ず売却代金を受け取る事になるので、所得税がかからない場合があると聞くと不思議に思われるかもしれませんね。

でも、土地を売って所得税がかかるのは、売却益が出ている場合だけなのです。

 

売却益は、土地を売って得た代金から、土地を買った時の代金や費用、土地を売るために支払った費用を引いて算出します。

この売却益は、正確には譲渡所得と言います。譲渡所得に対して、所得税が課税される事になります。

 

ココがポイント

土地を売って、所得税が掛かるのは譲渡所得が出る場合です。

 

土地を売却した時の所得税の計算方法

譲渡所得を計算する式は、以下です。

 

譲渡所得 = 譲渡価格 ー (取得費+譲渡費用) ー 特別控除額

 

取得費

売った土地を買い入れた時の購入代金、その時に支払った仲介手数料などの費用です。

取得費がわからない場合は?

相続した土地など、取得した時の価格がわからない場合があります。そのような場合は、「概算取得費」を使って計算します。

概算取得費 = 譲渡価格×5%

概算取得費で計算すると自ずと譲渡所得が大きくなってしまい、所得税がかかる可能性が高くなります。

 

さらに詳しく

昭和28年以降に取得した土地には、「概算取得費を適用できる」と定められているだけで、必ず適用しなければいけないわけではありません。概算取得費以外にも取得費の算出方法はあるので、税額が大きくなってしまう場合には、税理士などの専門家に相談してみるようにしましょう。

 

譲渡費用

土地を売るために支払った仲介手数料など、土地を売るために直接かかった費用の事です。

 

特別控除

控除の種類 控除額
公共事業のために土地建物を売った場合 5,000万円
居住用財産を売った場合 3,000万円
特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合 2,000万円
特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合 1,500万円
平成21年および平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合 1,000万円
農地保有の合理化などのために土地を売った場合 800万円

 

土地を売った時の税金の計算について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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所得税以外にかかる税金

住民税

所得税とセットで掛かる税金は、住民税です。

通常、所得税の申告をすると住民税の申告もした事になります。住民税も、譲渡所得に住民税の税率をかけて計算します。

 

復興特別所得税

これは、東日本大震災からの復興に用いられる財源の確保の為に作られた税金です。2013年から2037年までの25年間、所得税に2.1%を乗じた金額を所得税と合わせて納税します。

 

譲渡所得にかかる所得税の税率は?

土地を売却して譲渡所得がある場合にかかる税金は、その土地の所有期間によって税率が決まります。

種類 所有期間 所得税 住民税 復興特別所得税
短期譲渡所得 5年以下 30% 9% 所得税額の2.1%
長期譲渡所得 5年超 15% 5% 所得税額の2.1%

 

土地を売却して所得税がかかる場合の手続きは?

土地を売却した時の「譲渡所得」は分離課税方式で課税されます。つまり他の所得とは分離して所得税を計算します。

具体的には、土地を売却した翌年に確定申告をする事によって申告納税します。確定申告は、売却した土地の所在地を管轄する税務署に行います。

 

確定申告について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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土地を売却した時の所得税はいつ払うの?

所得税の納税期限

所得税の納税期限は、確定申告書の提出期限と同じ日になります。

確定申告の提出期限は、例年3月15日前後です。
(2020年は新型コロナウィルスの影響で例年より1ヶ月ほど期限が延長されました)

ちなみに、銀行口座から銀行振り替えで納税する方法(振替納税)を利用すると、納税期限の1ヶ月後ぐらいに口座から引き落としされます。

 

住民税の納税期限

住民税の納税期限は、所得税と少しずれます。

納税方法は、普通徴収と特別徴収がありますが、土地を売った場合の譲渡所得にかかる住民税の場合は、税額が多額になるため、普通徴収で納税します。

 

普通徴収の場合

住民税は確定申告後に住民税納付書が送られてくるので、指定の金融機関にて納税をします。

納税通知書は、通常5月に送られてきて、6月、8月、10月翌年の1月の年4回、または一括で納付します。

 

特別徴収の場合

給与所得者の場合は、給与支払い者が毎月の給与から天引きして納付します。

 

まとめ

  • 土地を売った場合の所得税は譲渡所得に課税される
  • 土地を売った場合の譲渡所得は分離課税
  • 土地を売った場合の譲渡所得は確定申告をして申告納税する
  • 土地を売った場合にかかる税金は所得税・住民税・復興特別所得税

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