不動産売却

不動産を売却した後には年末調整が必要なの?不動産売却と年末調整について説明します!

こんにちは。不動産屋の元店長、宅建士のモトキです。
不動産の売却というと、気になるのは税金の支払いのことかもしれません。

税金の支払いには色々な手続きがあって複雑そうなので、実際のところ何をする必要があるのかわからない、

とお感じになる方も多いかもしれません。

今回は、不動産売却にまつわる税金の手続きの中で、年末調整について解説していきたいと思います。

 

不動産を売却すると年末調整が必要なの?

結論から言いますと、不動産売却と年末調整は関係がありません

不動産を売却した後に必要になる税金の手続きは「確定申告」です。

では詳しく見ていきましょう。

 

そもそも「年末調整」って何だっけ?

社員、パート問わず会社におつとめの人なら、年末になると毎年「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告書」の提出を会社に求められます。
なにやら書類を渡されて、ここに名前書いてー、ここにハンコ押してーと言われるあの書類です。
実際には、その申告を元に会社が「年末調整」をするのですが、そもそも年末調整ってなんでしょうか?

年末調整とは、1年間に支払われた給料から、差し引かれていた所得税の過不足を調整する手続きのことです。

ではなぜ、調整をする必要があるのでしょうか?

まず、所得税というとは一年間の所得に対して税額が決まります。でも給料所得の場合には、源泉徴収と言って毎月の給料から先に所得税が差し引かれますよね。

このようにして会社があらかじめ概算の税額を徴収して預かり、後日まとめて税務署に支払います。

でも、あくまでこの税額は概算であって正確な金額が分かるのは、一年が終わって年間の全ての収入や控除すべき金額が出揃ってからになります。

そのため、年末に正しい納税額を再計算し、税金を多く払いすぎていた人には返金をし、足りなかった人からは追加で徴収をするのです。

ですから、この年末調整は会社からもらっている給料にかかる税金の調整のために行うもので、不動産売却で得た所得に関するものではありません。

 

不動産売却後にしなければいけない手続きは?


では、不動産売却後にしなければいけない税金の手続きはなんでしょうか?

ズバリ確定申告です。

土地や建物を売った時に手にするお金(譲渡所得)に対する税金は、
給料所得などの所得と切り離して計算することになっています。

そしてその税金は、勝手に税金が決まって課税されるのではなく、納税者が申告することによって課税されます。

これを「申告分離課税制度」と言います。

この申告分離課税制度を適用する所得の例としては、不動産譲渡所得の他に、株式の譲渡所得や債券の利子所得などがあります。

不動産や株を売って手に入った所得は会社の方で把握しているわけではないので、当然給料から天引きされる源泉徴収で税金を払うことはできませんね。

それで自分で確定申告をして税金を払う必要があるのです。

余談ですが、「じゃあ申告しなければバレないの?」と思うかもしれませんね。

でも不動産取引の場合、税務署に申告しなければバレないかというと、そんなことはありません。きちんと申告して税金を払う必要があれば払いましょう。万が一脱税とみなされたら追加で税金が課せられる可能性がありますので注意しましょう。

では、なぜ税務署は私たちが不動産を売却した事を把握できるのでしょうか?

それは、不動産を売却して買主に引き渡すと、必ず登記の変更手続きをすることになりますが、その情報が自動的に税務署に共有されるからです。

ですから、誰かが不動産を売却したら税務署はその情報を知ることができるのです。

実際に、不動産売却後に、税務署から不動産取引の内容について確認するために、いわゆる「お尋ね」の書類が送られてくることがあります。

でも実は、全ての不動産取引に対してそのような書類が送られてくるわけではありません。どんな基準で税務署が判断しているのかは公表されていないのでわからないのですが、書類が届いたら必ず返信をするようにしましょう。

税務署は全ての不動産取引に首を突っ込んで来るわけではありませんが、だからといって、税金の申告をしないのはペナルティーを課せられる可能性もあり危険ですので、必ず行うようにしましょう。

モトキさん
不動産を売却した年の翌年には確定申告です!

 

確定申告と年末調整の違いをもう一度分かりやすく

 

年末調整

会社が行う手続きです。会社が個人の給料所得から源泉徴収して支払った所得税を、年末に調整する仕組みです。

確定申告

個人が自分で税務署に税金を申告する手続きです。不動産の売却後に行う必要があるのはこの手続きで、不動産売却で得た譲渡所得を申告し必要な税額を支払います。

 

どんな時に確定申告が必要なの?

不動産売却をした全ての人が確定申告をする必要があるわけではありません。
確定申告をする必要がある人は不動産を売却して利益が出た人です。

不動産を売却して譲渡益が出なかった人、譲渡損が発生した人は基本的に確定申告をする必要がありません。

譲渡益の計算方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでよろしければご覧ください。

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ですが、そのように申告不要と判断した場合も、その事をきちんと証明できる書類を用意しておく必要があります。

先ほども説明しましたが、税務署から不動産の売却についてお尋ねがあることもあるからです。その時にきちんと証明できなければ無申告とみなされてペナルティの税が課せられる可能性があります。

心配でしたら、損が出ていたとしても、一度税務署に相談しておくと安心だと思います。

不動産を売却して利益が出ていたら確定申告とお話ししましたが、損が出た場合でも確定申告をすると良い場合もあります。

上記のおすすめ記事で詳しく説明していますのでよろしければご覧ください。

 

確定申告の流れと揃えておくべき書類とは?

 

確定申告の流れ

確定申告の方法は大きくわけて3つあります。

  1. 書面にて税務署へ提出
  2. 書面にて税務署へ郵送
  3. e-Taxを利用してオンラインで税務署へ提出

③の方法は事前に電子証明書を取得する必要があるなど、少しハードルが高いです。

初めての確定申告で、今後毎年行う必要がなければ、e-Taxを利用して申告書類を作成し、郵送または窓口で提出する方法が簡単です。

 

確定申告の期限

不動産を譲渡した年の翌年の3月15日までに、管轄の税務署に提出する必要があります。

申告が必要な場合は忘れずに行いましょう!

では不動産売却後に確定申告をする場合に必要になる書類について説明します。

 

必要書類一覧

  1. 申告書【申告書B第一表、第二表、第三表(分離課税用)】
  2. 譲渡所得の内訳書 
  3. その他の添付書類

不動産売却時の書類

  • 売買契約書のコピー
  • 売買代金受け取りの領収書のコピー
  • 固定資産税精算書のコピー
  • 仲介手数料の領収書のコピー
  • その他、売り渡しの経費に関する書類のコピー

購入時の書類

  • 売買契約書のコピー
  • 売買代金受け取りの領収証のコピー
  • 固定資産税精算書のコピー
  • 仲介手数料の領収書のコピー
  • その他購入時の経費に関する書類のコピー
  • 建築請負契約書などのコピー

 

特例を適用するために必要になる書類一覧

譲渡所得に関する以下の特例を利用する場合には添付書類が必要です。

【マイホームの3,000万円控除】

  • 戸籍の附票の写し 売却の契約日の前日において、住民票に記載されていた住所とマイホームの所在地が異なる場合

【マイホーム譲渡の軽減税率】

  • 譲渡した不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 戸籍の附票の写し 売却の契約日の前日において、住民票に記載されていた住所とマイホームの所在地が異なる場合

【マイホームの買換え特例】

  • 譲渡した不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 戸籍の附票の写し 売買契約日の前日において、住民票の住所と譲渡不動産の所在地が異なる場合、売却前の10年以内に住民票の異動をしたことがある場合。
  • 買換え不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 買換え不動産の売買契約書のコピー
  • 買換え不動産が築25年を超える中古耐火建築物の場合は、耐震適合証明書など

【マイホーム買換え損失の損益通算及び繰越控除の特例】

損益通算の手続きに必要な書類

  • 譲渡損失が生じた年分の確定申告書
  • 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
  • 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
  • 戸籍の附票の写し 譲渡時において住民票に記載されていた住所と譲渡資産の所在地が異なる場合
  • 買換え資産の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 買換え資産の年末における住宅ローンの残高明細 銀行に請求
  • 確定申告書の提出日までに買換え資産に住んでいない場合には、その旨及び、住まいとして使用を開始する予定年月日その他の事項を記載したもの

繰越控除の手続き

下記の条件を満たす場合に繰越控除を適用できます。

  1. 損益通算の適用を受けた年分の確定申告書を期限内に提出したこと
  2. 損益通算の適用を受けた年分の翌年から繰越控除を適用する年分まで連続して確定申告書を提出すること
  3. 確定申告書に年末における住宅ローン残高証明書を添付すること

【マイホーム譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例】

損益通算手続きに必要な書類

  • 譲渡損失が生じた年分の確定申告書
  • 特定居住用不動産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
  • 特定居住用不動産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
  • 戸籍の附票の写し 売買契約日の前日において住民票に記載されていた住所と譲渡資産の所在地が異なる場合
  • 譲渡資産の住宅ローンの残高証明書(売買契約日の前日のもの)

繰越控除の手続き

下記の条件を満たす場合に繰越控除を適用できます。

  1. 損益通算の適用を受けた年分の確定申告書を期限内に提出したこと
  2. 損益通算の適用を受けた年分の翌年分から繰越控除を適用する年文まで連続して確定申告書を提出すること

こちらのページで実際に確定申告書を作成できます。【国税庁確定申告作成コーナー】(PCサイト)

 

まとめ

不動産を売却して利益が出ている場合は必要書類を揃えて忘れずに確定申告をしましょう。

利益が出ていないように思える場合でも、念のため税務署に相談し、申告の要否の確認を取っておくと安心ですね。

不動産を売却して損が出た場合でもマイホームの買替えや、売却の場合、確定申告をすると税金を圧縮できる事があります。

自分がどのケースに当てはまるかわからない場合には最寄りの税務署に相談する親切に教えてくれると思いますよ。

不動産の売却がまだなら、まずは一括査定をして手続きの流れや税金のことも不動産の専門家に相談してみるのも良いですね。

 

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