こんな疑問に答えます。
この記事を読むと分かる事
- 不動産のリースバックとは?
- どんな不動産で利用できるの?
- 不動産のリースバックを利用する条件は?
自宅などの不動産を利用して資金を得る方法の1つに「リースバック」という仕組みがあります。
最近ではテレビのCMにも登場するようになりました。「家を売ってもそのまま住める」という事が強調されていますね。
この不動産のリースバックについて解説していきます。
不動産のリースバックって何?
リースバックとは、正式には「セールアンドリースバック」です。
直訳すれば、「売ってそれを貸してもらう」という感じになるでしょうか。
それで、不動産のリースバックでは、不動産を売りその買手から借りるという流れになります。売る契約と借りる契約を同時に結ぶので、もし現在住んでいる自宅であれば、売却後もそのまま住み続ける事になります。
また、リース契約が終了した後、事前に約束をしていればその不動産を買い戻す事もできます。
リースバックの流れ
- 家の売却
- 売買代金の支払い
- 家の賃貸借契約
- 家賃の支払い
- 家の買い戻し(希望する場合)
さらに詳しく
リースバックの仕組みを使えるのは不動産に限りません。
例えば、企業が社用車をリースバックして資金を調達するケースもあります。
どんな不動産でリースバックができるの?
不動産のリースバックというと、まず自宅を思い浮かべるかと思います。戸建やマンションなどの種類は問わず、自宅として利用している不動産でリースバックを利用する事ができます。
リースバックを利用できるのは、自宅だけではありません。
店舗、事務所、オフィスビル、工場などの不動産でもリースバックを利用する事ができます。
ココがポイント
現在自分が所有している不動産であれば、基本的にどんなものでもリースバックを検討する事ができます。
※リースバック業者によって、取り扱い可能な不動産は異なります。
不動産のリースバックが向いているのはどんな人?
不動産のリースバックが向いているのは、「まとまったお金が必要になったけれど家を引っ越したくない人」です。
リースバックで得られる資金はあくまで不動産の売却代金です。銀行のローンなどで得られる資金と違って使い道は限定されません。
それで、理由は問わず、まとまったお金が必要になる場合に利用する事ができます。
お金が必要になる理由の例
- 借金の返済をするため
- 教育資金を作るため
- 医療費に当てるため
- 事業用資金を作るため
- 老後の資金を作るため
不動産を売却すれば、まとまったお金を手にする事はできますが、家を引っ越したくない(引っ越せない)という人も多くいます。
家を引っ越したくない理由の例
- 子供の学区を変えたくない
- 仕事の関係で引っ越せない
- ペットを飼っているため賃貸が見つからない
- 高齢のため引っ越しをするのが負担
- 慣れ親しんだ場所に住んでいたい
不動産リースバックのメリットとは?
不動産リースバックを利用するメリットは、以下のようにたくさんあります。
- 不動産を売ってもそのまま住み続けられる
- 不動産をすぐに現金化できる
- 不動産を売った事を周囲に知られにくい
- 固定資産税など不動産の維持費の負担がなくなる
- 将来買い戻す事もできる
不動産を売ってもそのまま住み続けられる
リースバックの最大のメリットは、家にそのまま住みながら売却代金を手にできる事です。リースバックは、いろいろな事情で引っ越しができない(したくない)人が家を使って資金得るための便利な方法です。
売却を周囲に知られる事もありませんし、引っ越しの手間や費用も必要ありません。
不動産をすぐに現金化できる
リースバックの場合、リースバック業者や投資家が直接家を買い取るので、買い手を探す時間は必要ありません。通常の不動産売買と比べて素早く現金を手にする事ができます。
不動産を売った事を周囲に知られにくい
不動産のリースバックは、家を売却する事にはなりますが、そのまま住み続けるため、傍目には売却した事が分かりません。
固定資産税など不動産の維持費の負担がなくなる
固定資産税は不動産の所有者にかかる税金です。リースバックをすると不動産の所有権は業者に移るため、固定資産税の支払い義務はなくなります。
将来買い戻す事もできる
通常の売却だと、再度その不動産を買い戻すという事は非常に難しいです。リースバックの場合、そのまま住み続け資金ができたときに買い戻す事も可能です。買い戻しができるという内容を契約条項に盛り込む事が必要です。
不動産リースバックのデメリットは?
不動産リースバックには以下のようなデメリットもあります。
- 不動産の名義が変わってしまう
- 買取金額は通常の不動産売買より安くなってしまう
- 家賃は近隣の賃貸より高くなる事が多い
不動産の名義が変わってしまう
不動産のリースバックは、あくまで一度家を売却をする事になるので、名義は新所有者に移転してしまいます。
買取金額は通常の不動産売買より安くなってしまう
不動産リースバックの買取価格は、通常の仲介で売却する時よりも安くなります。
家賃は近隣の賃貸より高くなる事が多い
不動産リースバックの賃料(リース料)は、近隣の相場よりも高くなる事があります。家賃は買取金額に対する利回りで決まるからです。
買い戻しの価格は売却価格より高くなる事が多い
将来買い戻しをする時の価格は、ほとんどの場合売却した時の金額よりも高くなります。買い戻し価格には、業者の利益や手数料が乗るからです。長い期間リースバックで住む場合には、払った家賃が売却代金を上回る事もあり得ます。
例えば、年間の家賃が売却代金の10%だとすると、10年間住んだ場合、売却代金と同じだけ家賃を支払う事になります。
買い戻しを考える際は、経済的には決してプラスではないという事実を覚えておきましょう。その上で、買い戻す理由と価値があると考える場合には買い戻しをするようにしましょう。
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不動産のリースバックを利用する条件は?
リースバックを利用するための条件は、それほど多くありません。
住宅ローンを完済できる事
不動産に住宅ローンが残っている場合には、売却したお金で完済する事ができれば利用可能です。不動産を売却しても、住宅ローンを完済できない場合には、いわゆる任意売却という方法で売る必要があります。
任意売却でリースバックを利用するのは、不可能ではありませんが、かなり難易度が高いという事は覚えておきましょう。
それで基本的には、リースバックを利用する為には住宅ローン残高が買取価格を下回っているか、自己資金などで残債を消せる必要があります。
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リースバックの家賃を払える事
リースバックでは不動産を売った後に賃貸契約をして借りる事になります。今後も賃貸の家賃を払っていけるという見通しがないと、リースバックを受ける事は難しくなります。通常の買取の場合は、不動産を買い取ったらそれで終わりですが、リースバックの場合には、その後も賃貸契約で関係が続く事になります。
それで、リースバック業者は、売主が今後も家賃をきちんと払っていける人かどうか、信用度を見ています。家賃を払っていけるだけの収入がなかったり、ローンや税金の滞納などが続いていて信用度がないと見られると、リースバック契約を結べないという事もあり得ます。
リースバックの選び方は?
リースバックを選ぶときの鉄則は、他のいろいろなサービスを選ぶ時と同じように、よく比較をする事です。
今までは、リースバックを取り扱える業者が少なかった事もあり、あまり多くの情報を比較する事ができませんでした。
ところがここ数年、不動産リースバックを扱う優良な業者が増えてきました。買取価格も、リース料も、複数の業者を比較して決める事ができるようになっています。
それで、ぜひ複数の業者に見積もりをとって条件を比較してください。
不動産のリースバックは、専門性が高い為、業者の言いなりに話しを進めがちですが、比較検討できる情報があれば、自分で冷静な判断する事ができるようになります。
業者の比較の仕方はこちらの記事で詳しく解説しています。
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主な不動産リースバックの業者
センチュリー21
センチュリー21の提供するリースバック「売っても住めるんだワン」は、提携企業がスムーズな買取を行い、素早い現金化が可能です。賃貸の契約は、基本的に2年の定期借家契約で、契約終了後は再契約か退去を選ぶ形になります。
ハウスドゥ!
ハウスドゥ!が提供するリースバック「ハウスリースバック」は、素早い買取と対応エリアの広さが強みです。賃貸の契約は長期や短期など、様々な選択肢があります。買い戻しの価格も事前に設定できるなど透明性の高いサービスです。
まとめ
- 不動産のリースバックは引っ越さずに売却代金を手にできる方法
- リースバックは様々な種類の不動産で利用する事ができる
- 不動産のリースバックを利用するには条件がある
- 不動産リースバック業者も条件を比較して選ぶ事ができる