リースバックってどういう意味なんですか?
そんな疑問に答えます。
リースバックという言葉、よく耳にする様になりましたよね。最近特に話題なのは、株式会社ハウスドゥの「ハウス・リースバック」など、マイホームを使ったリースバックです。
この「リースバック」ですが、少し紛らわしい言葉が他にもあるので、はっきりした意味がわからないなぁと感じられる方もおられると思います。
この記事では、「リースバック」の意味を出来るだけ分かりやすく説明したいと思います。もしかしたら「リースバック」は、あなたも利用する価値のある仕組みかも知れませんよ。
この記事を書いているモトキは、不動産会社を10年ほど運営していました。このメディアでは、その知識と経験に基づく暮らしと不動産に関する情報を発信しています。
この記事を読むと分かる事
- リースバックとはどういう意味かが分かります
- リースバックを利用する理由が分かります
- リースバックが向いているのはどんな人かが分かります
リースバックの意味
「リースバック」と一般に呼ばれていますが、正式には「セール&リースバック」です。
これは、簡単に言えば「売って、借り受ける」という取引の事です。
ココがポイント
「セール アンド リースバック」とは、自分が持っている物を相手に売って、その売った物を賃料を払って借りるという事です。
リースバックは色々な場面で利用されている
最近注目されているのは、マイホームのリースバックですが、リースバックの方法を使えるのは、家だけではありません。
実際、リースバック取引は新しい仕組みではなく、以前からビジネスの世界では利用されてきました。
さらに詳しく
リースバックの対象は、不動産や機械、車などがあります。
社用車のリースバック
一般的に行われているリースバックの一つは、社用車を使ったリースバックです。
この場合、企業が所有している社用車を一度リース会社が買い取ります。そして、そのリース会社が買い取った車を、リース契約をして売った企業が借りるのです。
自社ビルのリースバック
他にも企業が自社ビルなどを売却して、それを賃貸で借り戻すという場合があります。
例えば、2015年9月にシャープが大阪市にある本社ビルをニトリに、本社ビルの向かい側の田辺ビルをNTT都市開発にそれぞれ売却しました。シャープはその後しばらくの間リースバック借り、入居し続けていました。その後、田辺ビルの方は買い戻しをました。
※本社ビルの方はすでに退去済み
リースバックをする意味とは?
では、なぜリースバックをするのでしょうか?売った物や不動産をわざわざ賃料を払って借りる意味は何なのでしょうか?
主な理由は、以下の二つです。
- 資金調達の為
- 管理の手間を減らす為
ここでは、マイホームのリースバックではなく、主にビジネスシーンで利用されるリースバックについて解説しています。
資金調達の為
リースバックをする一つの大きな理由は、資金の調達です。リースバックによって不動産などの資産を売却する事によって、まとまった資金を作ることができます。企業は、現金を得る事で帳簿上の業績も改善する事ができます。
管理の手間を減らす為
リースバックをする事によって、それまで必要だった管理にかかる手間を減らす事ができます。
例えば、社用車のリースバックの場合、車の所有はリース会社に移るため、税金の支払いや車検などの管理はリース会社が行う事になります。そのため、車の維持管理にかかる手間を大幅に減らす事ができるのです。
リースバックと混同されやすいサービス
- リース契約
- サブリース契約
- リバースモーゲージ
リース契約
リース契約とは、会社などが設備を揃える時に、それを購入するのではなくリース会社と契約を結んで長期間借りる事です。
リース契約の場合は、あくまで賃料を払って借りているので、一度も自分の所有物にはなりません。
ココがポイント
借りるというところはリース契約もリースバックも同じですが、リースバックは、自分の所有物を売ってから借りるという点が違います。
リース契約で一般的なのは、コピー機やパソコンという様なOA機器類です。営業車をリース契約で借りるケースもあります。
最近では、個人でもカーリースを利用する人が増えています。その場合、車の所有者はリース会社になりますが、月々の料金を支払って自由に利用する事ができます。
サブリース契約
サブリースとは、簡単に言えば転貸、つまり又貸しの事で、借りた物をさらに貸すという意味です。サブリースは、不動産の世界でもよく行われるので、リースバックと混同している方が多いです。
不動産のサブリースでよく行われるのは、サブリース会社が地主さんからアパートなどの賃貸物件を一括して借り上げる方法です。
サブリース会社は、借り上げたその賃貸物件に入居者を集めて賃貸します。このサブリース会社と入居者との賃貸契約をサブリース契約と言います。
つまりサブリース会社は、地主さんから借りた賃貸物件を又貸ししているのです。
ココがポイント
リースバック契約は又貸しではなく、売却と賃貸をセットで行う契約ですので、サブリース契約とは異なります。
リバースモーゲージ
リバースモーゲージもリースバックと混同されやすいサービスです。リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借りるシニア向けのローンです。
リバースモーゲージもマイホームを使って資金を得る方法なので、その点ではリースバックと似ていますが、マイホームを売って資金を作る方法がリースバック、マイホームを担保にお金を借りる方法がリバースモーゲージです。
ココがポイント
リースバックは、不動産売買、リバースモーゲージは金融商品なので全く異なる仕組みです。
リースバックとリバースモーゲージの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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マイホームをリースバックする意味は?
ここまで、ビジネスの場面を含めて、リースバックと意味と利用する目的について説明してきました。では、マイホームでリースバックをする場合、どんな目的、意味で行うのでしょうか?
マイホームをリースバックする意味は、以下の二つです。
- まとまった資金を得る為
- 売った家にそのまま住む為
まとまった資金を得る為
まず第一に、リースバックをする意味は、まとまった資金を得る事です。家を売却する事で、その売却代金を受け取る事ができます。
自宅の売却ですから、お金を金融機関から借り入れする場合と違い、審査などは必要ありません。売却する事ですぐに自宅を現金化する事ができます。
売った家をそのまま使う為
家などの不動産の場合、通常の売却をしても売却代金を得ることはできますよね。それで、リースバックを利用するもうひとつ重要な意味は、売った家から引っ越さずにそのまま住み続けるという事です。
ココがポイント
通常の方法で家を売却すると、当然売った家は買主に引き渡さなければいけなくなります。つまり、引越しをして出ていく必要がありますが、リースバックをすれば、売った家にそのまま住み続ける事ができます。
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どんな人がリースバックを利用するの?
まとまった資金が必要だけど、引越しはしたくないという人がリースバックを利用しています。
リースバックを使うと良い人の例
- 老後の資金を準備したい人
- 相続対策をしたい人
- 事業資金を調達したい人
- ローンの支払いが厳しい人
老後の資金を準備したい人
シニア世代の方が、老後の資金を準備するのにリースバックはとても向いています。
ココがポイント
マイホームは持っているけれど、現金の貯蓄が少なく、年金だけでは将来に不安があるという様な場合には、リースバックを使って老後の資金を確保する事ができます。
相続対策をしたい人
相続対策でリースバックを利用する方も増えています。「終活」という言葉が注目されているように、自分が生きているうちに不動産などの資産を処分しておく人が増えています。
その一つの方法としてリースバックが利用されています。
例えば、子供達が皆、住む家を持っている場合などは、自分の死後、今住んでいる自宅を使う人が誰もいなくなるかもしれません。相続財産に不動産が多いと、将来分割の仕方や方法などで手間がかかったり揉め事が起きやすくなります。
それで、自分が生きているうちにリースバックで自宅を売却して現金にしておき、生きている間はそのまま住み続け、相続が発生したら現金を相続人の間で分けてもらうようにするのです。
事業資金を調達したい人
事業をしていると、何かと現金が必要になる場合があります。事業ですでに金融機関から融資を受けている場合、さらに融資を受けるのが難しい場合があります。リースバックを利用すれば自宅から引っ越さずに資金を調達する事ができます。
ココがおすすめ
自宅を事務所としても使っている様な場合には、リースバックをすれば自宅が賃貸になり、家賃の一部を経費として計上する事もできる様になります。詳しくは税理士等にご相談ください。
ローンの支払いが厳しい人
ローンやキャッシングなどの支払いが厳しくなり、精算しようとする場合、自宅を売却して完済する方法があります。
リースバックを利用すれば、誰にも気づかれる事なく家を売り、売ったお金でローンを完済する事ができます。その後も家賃を払って家に住み続ける事ができます。
住宅ローンの支払いが厳しい場合のリースバックについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでよろしければご覧ください。
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まとめ
この記事では、リースバックの意味について解説してきました。
マイホームのリースバックは、自宅を売った後、賃貸で借りて引き続き住むという仕組みです。
家の売却代金を受け取り、かつそのまま引っ越さずに賃貸で住み続ける事ができるので、まとまった資金が必要だけれど、引っ越しをしたくないという人におすすめの取引です。
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